48歳、左乳がん手術後病理検査結果です。
部位 CA領域、 腫瘍径 33×30×18㎜大、 組織型 浸潤性乳管癌other type(DCISはIDC内に散見)、 核グレード 1、 組織グレード 1、 脈管侵襲 Ly1 V0、組織学的に波及度 f、 断端 陰性、 ER + PgR +、 HER2 陰性、 Ki67 39%、 リンパ節転移 SNL1/3(1.8㎜のリンパ節転移)pN1mi、 進行期分類 pT2、 T2N1micM0、 ステージ2B
組織所見 ; 大小の腫瘍胞巣あるいは索状構造を形成して浸潤する腫瘍細胞を認めます。浸潤性乳管癌のother typeとしました。リンパ管侵襲が目立ちます。
最終月経は2024年4月で、血液検査ではFSH137.58で、エストラジオール<10でほぼ閉経と見て良い。今後、放射線治療とホルモン剤は必ずで、オンコタイプDXは検査に出して、結果はまだです。主治医は、年齢、しこりが大きめ、Ki67が高い、リンパ節転移があったということから、抗がん剤はやったほうが良いと言っています。病理検査結果からすると再発などのリスクもありそうなので、自分でもオンコタイプDXの結果がどう出ても抗がん剤をやるつもりではいます。再発してからやると延命という感じになってしまうから、再発しないようにガンガンやるのが良いと言われ、自分も体力がある今のうちにやっておきたいと思います。抗がん剤はどれを使うかは聞いていませんが、候補として書かれていたのが、AC療法 FEC療法(3週毎に点滴×4回)、 ddAC療法(2週毎に点滴×4回)、 ドセタキセル TC療法(3週毎に点滴×4回)、 パクリタキセル(毎週×12回、または3週投与1週休薬×12回) で、半年ぐらいやる計画になっています。
1)この病理検査結果を見て、抗がん剤をやらないという選択肢はありますか?
2)オンコタイプDXは今あるものでは1番信頼できるものだけど、目安だからと言われましたが、低リスクだとしても抗がん剤はやったほうが良いですか?
3)抗がん剤の候補では、先生ならどれを使いますか?候補以外でも良いです。
4)組織所見で腫瘍胞巣とか索状構造を形成して浸潤する腫瘍細胞を認めますというのは悪いタイプですか?
5)浸潤性乳管癌other type、リンパ管侵襲が目立つのは悪いタイプですか?
6)総合的に見て私の乳がんのタイプはどういうタイプと考えたら良いですか?
お忙しい中すみません。質問が沢山あるのですが、よろしくお願いします。
オンコタイプDXの検査の適応となる患者さんは、早期・ホルモン受容体陽性、HER2陰性、リンパ節転移陰性またはリンパ節転移1~3個陽性の条件で、①「腫瘍が大きい」、②「ホルモンレセプターの発現が弱い」、③「増殖のスピードが速い」、④「リンパ節転移がある」といった化学療法をした方が良いのではと迷う方々です。オンコタイプDXの一番の目的は、化学療法が不要な患者さんを見つけ出すことだと考えられており、この検査では化学療法の必要性を完全に判定できるわけではありません。
1) オンコタイプDXの再発スコアが低リスクであれば、化学療法を省略できる根拠に利用するので、結果を待って主治医と相談してください。
2) この検査では化学療法の必要性を完全に判定できるわけではありません。再発スコアにより化学療法省略を決めるのが一般的ですが、リンパ節転移やリンパ管侵襲が目立つのが気になります。
3) TC療法
4) 6) リンパ管侵襲が目立つのは好ましくないと思います。
5) ルミナールタイプ(ホルモン受容体あり・HER2なしの早期乳癌(浸潤癌))で、おそらく放射線療法、ホルモン療法、化学療法を行うことになるのではないでしょうか。
主治医とよく相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)