はじめまして。2024/6月(47歳)に左胸のトリプルネガティブ乳癌と診断され、その後の検査でBRCA2陽性。EC療法後、2024/12月に左胸全摘、右胸予防切除術を同時に受け現在に至ります。診断時は、腫瘍径3cm/ki58%/グレード3/リンパ節転移なし。オペ中のセンチネルリンパ節生検でも転移はありませんでした。術後の病理結果で3cmの浸潤癌は完全奏効でしたが、乳管内に小さな非浸潤癌が数個あったとの事でした。術後はPARP阻害薬を内服までしなくてもよいと思うが、悩ましい所ですねと、先生はおっしゃられていました。希望なら内服もできるとのことでした。術後の病理検査でPCRの場合は術後の治療はなしという認識でいましたが、非浸潤癌が残っていた場合にはPARP阻害薬は内服した方がよいのでしょうか。自分で色々と調べてみましたが、内服するべきなのか判断がつきませんでしたので、こちらにご相談させていただきました。よろしくお願い致します。
PARP阻害薬(リムパーザ、ターゼナ)ですが、貴女の状況にPARP阻害薬が有効かどうかというDATAはありません。なので、リムパーザの添付文書から考えてみました。その一部を抜粋します(ターゼナは術後補助療法の適応はありません)。
〈BRCA 遺伝子変異陽性かつHER2陰性で、再発高リスクの乳癌における術後薬物療法〉
臨床試験に組み入れられた患者の再発高リスクの定義、前治療 歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。 [17.1.6参照]
17.1.6
以下の1(術前化学療法)又は2(術後化学療法)に該当する患者が、再発高リスクの患者と定義された。
1 術前化学療法歴のある場合
・乳房及び/又は切除リンパ節に残存浸潤性乳癌があるER及びPgR陰性かつHER2陰性乳癌患者(トリプルネガティブ乳癌患者)。
・乳房及び/又は切除リンパ節に残存浸潤性乳癌があり、CPS+EGスコア(臨床病期 [CS]、ERの発現状態[E]、核グレード[G]及び治療後の病理学的病期[PS]-疾患スコア評価システム)が3以上であるER及び/又はPgR陽性かつHER2陰性乳癌患者。
つまり、術前化学療法を行なって残存浸潤がんが残っている方が再発高リスクと考えられリムパーザの適応になるので、貴女の場合は、残存浸潤がんのない、再発高リスクでない乳がんなので、リムパーザの適応は無いと思います。(文責 清水)