No.13170 術式の選択と今後の治療について

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2025.02.09 匿名 0 Comments

閉経済みの50代女性です。検診マンモで、しこり発覚→超音波、針生検、リンパ節穿刺、胸部MRI造影、全身PET実施し、以下の診断でした。

浸潤性乳管がん、硬性型、核異形度2、組織学的グレードII、ki67  45% 、ER +、PgR +、HER2(1+)、ルミナルB、ステージ IIB、腫瘍 2.5cm  右胸、 リンパ節転移 1か所 1cm程 右脇

主治医からは、全身転移は見受けられないので、手術し、手術でとった細胞、リンパ節転移数を見て、オンコ有無、抗がん剤、ホルモン剤を判断、ルミナルBのため化学療法は術後推奨と、お聞きしています。

1)全摘、温存の選択が必要で、乳房腫瘍の場所は後ろ(筋肉側)の方にある。筋肉は残せると思うが、乳房腫瘍は2.5cmのため温存も可だが、全摘の方が良いかもと、主治医より言われています。数十年続けてきた生き甲斐のテニスの存在が、全摘と温存とで術後の腕や体の状態がどの程度変わってしまうか(がんを取りきること、命が最重要で勝手を申していると承知しておりますが…)が、大変気掛かりで、かつ利き手の右側手術となるため、主治医から提示の【全摘、リンパ節郭清レベル2まで実施】で進めるべきか、温存を選ぶことによる利益・不利益を含め、ご意見を伺いたいです。

※生存率は同じ、再発率が全摘の方が低い、リンパ郭清による浮腫リスクが上がることは理解しており、検査結果を踏まえた自分のケースではどうなのか、術後の生活や人生がどう変わるかを理解した上で治療を選択したいと考えております。全摘、温存の場合も複数術式がありますが、どのような術式が望ましいでしょうか。温存の場合と全摘の場合の推奨度合いの違いはどの程度でしょうか。 (例えば、10が完全推奨とし、全摘8、温存2など)

2)私のケースでは、全摘の場合も術後に放射線実施すべきでしょうか(温存の場合、放射線必須と理解)。

3)私のような検査結果、ルミナルB患者の場合、今後の治療内容を踏まえると、医療機器や選択させて頂ける治療の選択肢の差が、病院さまによってどの程度出てくるものでしょうか。手術や術後治療の選択肢の差が、病院さまによってどの程度異なるのかを、よく理解しきれておらず(どうすればその病院さま間の差の情報を得られるのかを含め)、御教示頂きたいです。

※2年前のマンモで石灰化のみだったのが、24年12月のマンモでは濃度の高い2.5cmの腫瘍となり、増殖スピードを懸念しております。

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2025.02.09 石川 0 コメント

1)乳腺全摘のみで大胸筋や小胸筋切除しない術式でも、腋窩リンパ節郭清する場合、胸筋神経を温存したつもりでも、それらの神経支配の胸筋が萎縮することがあります、また肋間上腕神経にも障害が及ぶと上腕筋にも影響が出る可能性があります。しかし、リンパ節郭清をレベルⅠ~Ⅱに留めれば起こりにくいとは考えられます。これらの筋肉萎縮が起こると、テニスするには不都合となります。これらの手術を受けた方の大半は、患側の上肢の浮腫が無ければテニスに復帰は可能となると思います。乳房温存手術では術後放射線治療が必須になると考えます。Ki67 45%なので、術後化学療法必要と推察します。これらを考慮すると、私の推奨度合いは全摘が10とすれば、温存8と考えます。

2)全摘の場合は、ふつう術後に放射線照射の実施はしません。病巣取り残しや腋窩リンパ節転移多数の場合などがあった場合には、追加することはあり得ます。

3)ちゃんとした医療施設なら(例えば日本乳癌学会認定施設など)、それぞれの医療機器、手術、術後治療の選択肢は全く同じではありませんが、その差は殆ど考えないでいいと信じています。病院間の差の情報は私たち専門医でも、ホームページの記載事項などで判断するしかありません。(文責 石川)

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