No.13163 オンコタイプDX HER2について

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2025.01.14 S.O. 0 Comments

昨年4月左乳がん診断。クリニックでの検査結果は、ステージ1、ホルモン受容体陽性、HER2 1+、ki67 39、グレード2。その後移った病院で、再度標本見直しで、HER2 2+  DISH(-)  グレード3。9月末全摘。術後病理検査でHER2 2+  DISH(-)  グレード3。手術まで時間がかかったため、術前ホルモン療法としてアナストロゾールを3か月内服。オンコタイプDX(クリニックの検体を提出)を受けたところ、HER2陽性と返ってきました。RS45でEC療法を始め、2回目を終えたところです。オンコタイプDXでHER2陽性と出たのですが、どのように捉えたらよいのでしょうか。このようなご経験は、おありでしょうか。今後の治療は、今まで3回の検査で陰性だったので、HER2陰性として進めていくと言われましたが、HER2陽性の治療でなくてよいのか、とても不安です。

 

 

 

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2025.01.14 鈴木 0 コメント

ご質問有難うございます。病理検査でのHER2と、オンコタイプDXのHER2の不一致のご質問ですが、個人的には、病理検査で陰性としたものが、オンコタイプDXで陽性となった経験はありません。ただ、理論上は、あり得る話だと思います。その理由は、①病理検査でのHER2はタンパク質のレベルを見ているのに対して、オンコタイプはmRNAレベルを測定しています。検査方法の違いです。②次に、乳がんは、腫瘍の場所により、HER2の発現にバラつきがあるので、病理検査で判定した場所と、オンコタイプで検査した場所の発現のバラつきの違いです。③病理検査でのHER2は、0~3+と判定するのに対して、オンコタイプDXでは連続した遺伝子の発現を見ていますので、検査の感度の問題です。

そこで、どちらの結果を重要視するかですが、個人的には主治医の先生がおっしゃるように、病理検査で3回、陰性と判断されています。HER2の判定は、病理結果で行うのが決まりですので、陰性と判断するのでよいと考えます。一方で、上記の理由から、HER2は陽性と判断し、抗HER2療法を追加するのも選択肢ではあります。その場合、考慮すべき点がいくつかあります。㋐抗HER2療法は全く無効かもしれない。㋑抗HER2療法を追加することで、心毒性(心臓のポンプ機能の低下の恐れ)のリスクが高まる。㋒反面、抗HER2療法は、通常の抗がん剤と比べて、日常生活を制限するような毒性は少ない。もし、抗HER2療法を追加するなら、㋐~㋒の点を考慮し、慎重になる必要があります。(文責 鈴木)

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