No.12025 TS-1について

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2017.03.23 0 Comments

数年前ですが、乳がん手術後のファーストラインで、TS-1を隔日で一年服用いたしました。ホルモン療法との併用です。その前に、私はHER2が陽性だったため、ハーセプチンの治療を終えてからの服用でした。最近になり、病院側の都合で主治医の先生が変わりました。新しい主治医の方に、「この数年前のTS-1は意味があったように思えないんだが。。」と呟かれました。それがどうにも引っかったので自宅で少し勉強してみると、TS-1はHER2陰性の患者のみ有効と出てくることが多いです。もう過ぎてしまったことですが、それが正しいガイドラインなのでしょうか?

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2017.03.23 清水 0 コメント

ガイドラインとかHer2以前の問題として、TS-1は“手術不能または転移再発乳がんの治療薬”として承認されていて、術前術後の治療薬としての保険適応がありません。もちろん、術前術後の有効性を確認した臨床試験もありません。ですから、ガイドラインにも載っていません。TS-1は最近、転移再発乳がんの1st lineの治療に用いる臨床試験が日本で行われて、従来の点滴の治療と同等の効果が示されました。そのために脚光を浴びたのですが、だからと言って術後の治療に使うことは、保険上もガイドライン上も認められません。しかし、その治療が無駄だったかどうかはわかりません。術後補助療法として使用することの有効性は示されてはいませんが、何らかの効果があった可能性は否定できません。もう過ぎたことですから、大きな副作用もなく内服できたのであれば、きっと効果があったに違いないと自分に都合よく考えてください。これからは、治療法を決める時は先生に任せるのではなく、最低限でも“患者さんのための乳がん診療ガイドライン”程度(いろいろなネット上の情報は混乱しますので避けて)は勉強して、主治医の先生と一緒に治療法を考えるようにしましょう。(文責 清水)

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