38歳の時にルミナルAの左胸乳がん(小葉がん)と診断されました。腫瘍径は1センチほどだったのですが、部分切除2回行っても断端陽性で、乳腺全摘をしました。その後5年間タモキシフェンを服用し、生理は周期不順でしたが、止まることなく5年経過して、今年2月にタモキシフェンも終了となりました。タモキシフェン終了後も普通に生理がきたのですが、胸の張りや生理痛がひどく、女性ホルモンがすごく体に影響を与えている感じがしてなりません。主治医の先生に相談して、タモキシフェンを延長していただいたほうがいいでしょうか?
現在の症状は、いわゆる更年期の症状です。ですから、本筋でいえば婦人科の先生に相談すべき問題です。しかし、貴女はルミナルA乳がんの術後なので、婦人科の先生が通常更年期症状の治療に使うホルモン補充療法は望ましくありません。となると、ホルモン補充療法以外の治療法を考えてくれる先生がいれば良いのですが、一般的な婦人科の先生としては、相談されても困りますという話になります。そうなると乳腺外科の主治医が対処法を考えなければいけません。現時点でよく行われる治療は、漢方を用いて症状を緩和する方法が多いように思います。自分は漢方の処方はできないという医師であれば、漢方に詳しい医師に紹介してくれると思います。もう一つの方法は、貴女が提案しているタモキシフェン内服の再開です。貴女の乳がんは小さいので、タモキシフェンを5年以上内服するという絶対的な適応はありませんが、内服を継続することのデメリットは子宮体癌のリスクが上昇することだけなので、内服再開することで症状が改善するのでれば、子宮体癌検診を行いながらタモキシフェン内服を再開するという選択肢もあると私は思います。主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)