No.13032 髄様癌の治療について

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2024.02.09 匿名 0 Comments

特殊癌の髄様癌についての質問です。針生検で、ER+ 1%〜5% PR− HER2 − Ki67 30%で、ルミナールBタイプと診断されました。術後オンコタイプDXで抗がん剤をするかどうか確認するとのことでしたが、病院の病理検査で、ER− PR− HER2− 腫瘍大きさ16mm リンパ節転移なし 組織型グレード3 髄様癌 トリプルネガティブであると言われました。なので、オンコタイDXはやらずに、抗がん剤と放射線をすると言われました。

1)主治医に、髄様癌は予後が良いので、TC療法だけでいいと言われましたが、念のためと思うなら、アンスラサイクリン+タキサン系にしても良いけど、どうするかと言われて悩んでいます。

2)髄様癌のことをネットいろいろ調べてみたのですが、リンパ球に関係していると、漠然としか分かりませんでした。どんな癌の特徴があるのですか? 免疫が関係しているとなると、免疫チェックポイント阻害薬が効く癌ですか?

3)髄様癌は遺伝性乳癌の可能性がありますか。BRCA遺伝子検査をしたほうがよいでしょうか?

たくさん質問してすみませんが、回答を頂けたらと思います。よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

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2024.02.09 久保内 0 コメント

お調べになった通り、髄様癌は乳癌の中での特殊形にあたり、その頻度が少なく諸家の経験値も極めて貧弱であることをまずお伝えします。乳癌診療ガイドラインでは「髄様癌の発生頻度は0.03~0.08%であり、トリプルネガティブ乳癌に分類されることが多い(約80%)のが特徴で、組織学的グレードも高いものが多い。組織学的グレードも高いにもかかわらずその予後は通常型の浸潤癌より良い。」とされています。ガイドライン上は「診断基準が統一されていないため、薬物療法は浸潤性乳管癌に準じて行うのが妥当である」と締めくくっていますが、余りにも症例数が少ないので無難な書き方をしているというのが本音では内科と考えます。

このため、どこの乳腺外科医も腫瘍内科医も、通常の化学療法を勧めると考えられ、あなたの主治医もそう伝えたのだろうと思われ、無理も無いことでしょう。また何処にセカンドオピニオンに行かれても、同様の答え(アンスラサイクリン4コース+タキサン4コースとか、TC4~6コースとか)しか返ってこないと考えます。

しかしあくまで私個人の試験ですが、過去には髄様癌(同様に予後の良い癌とされる粘液癌やアポクリン癌)では、術後に化学療法を行わなくてもきちんと10年生存できている症例が結構見られます。Ki67を測定するようになった2010年頃からの症例で見ると、Ki67≧50%では予後が悪く化学療法の有効性が高いのに反して、Ki67≦30%では化学療法の有効性が低く予後が良い症例が多い傾向にあるようです。ですから、化学療法をどうしても回避したい場合は、これを参考にされるのも一手かと考えます。(文責 久保内)

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