No.12969 DICSで全摘出後の再発率

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2023.06.27 N.J. 0 Comments

今年2月に両側乳房にDCISと診断され、4月に乳頭乳輪温存型乳房全切除の手術をアメリカで行いました。インプラントで両側即時再建実施。手術後の病理の結果は以下のとおり。

右: DCIS, グレード2、necrosisなし、cribriform/papillary, 断端陰性の診断も断端近接右前方1箇所で1.7mm

左: DCIS, グレード2、necrosisなし、cribriform/papillary, 断端陰性の診断も断端近接が左上外側3箇所で1mm以下(横幅8mm、4mm、2mm)

手術をした乳腺外科医からは放射線治療は元々勧められなかったのですが、放射線腫瘍学の専門医からは左乳房への照射のみを勧められました。全摘出後の放射線治療はあまり多くないと聞いており、放射線療法による再発率の低下の引き換えで副作用(含、インプラントへの被膜拘縮)の発生、QOLの低下を懸念しています。全摘出後の再発率は全体で数%(1桁台)と聞いたのですが、断端近接がある場合で放射線治療をしなかった場合の再発リスクがどの程度上がるのか気になっています。その上で、放射線治療を今行うか(左部分の照射のみ)、定期検診を欠かさずに経過観察で様子を見るべきか決めたいと考えています。なお、術後2ヶ月経過した先日MRI検査を行い、断端近接があった場所での取り残しは無いと診断されています。

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2023.06.28 久保内 0 コメント

乳腺外科医や形成外科医は放射線治療なしで経過観察を勧めるでしょうし、放射線科医は局所再発を低下させるために放射線治療を勧めると考えます。インプラントで再建されたわけですが、どこまで再建乳房が大事なのか?局所再発を何処まで恐れるのか?ということに尽きると考えます。再建された乳房に2度と手を付けたくなければ、放射線治療はその可能性を大きく増加させます。しかし十二分な経過観察をしていれば、例え局所再発が浸潤癌であったとしても、微小なうちに発見できれば小さな追加切除と小範囲の照射で済みます。現時点で放射線治療をすれば、乳房全体にかけると思うので、広範囲照射になろうと考えます。自分の身内から問われたら経過観察を勧めると思いますが、局所再発を恐れるために現時点で放射線治療をしても、それは一つの選択だと考えてそれを尊重すると考えます。

現時点でのMRIで見られる様な取り残しがあったら言語道断で、その場合はその部分の追加切除をしてその部に放射線治療を行うことを勧めるでしょう。問題は何年も先まで待てるかどうかですが、断端露出のような状態であっても局所再発しない例も有り、全摘症例での断端陽性は確率論で云々できないことが多いのが現状です。(文責 久保内)

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