どうぞよろしくお願いいたします。年齢61歳。2022年8月に右乳房浸潤性乳管がんと診断、術前のエコーではリンパ節に転移無しでした。同年11月に乳頭乳輪を残し、脇から切開し、全摘出と同時に、腹部皮弁法にて一次再建手術をしました。以下、術後の病状説明です。
【手術病理結果】
乳頭乳輪温存切除術 および 腋腋郭清【レベルⅡ】
・術前内分泌療法後
・浸潤癌+非浸潤癌の部位もあり
・腫瘍径: 1.5×1.4cm 脂肪織までの浸潤ありf(+)
リンパ管侵襲:Ly0,血管侵襲:V0
治療効果判定: Grade 1a
HGI,NG1
・リンパ節転移
センチネルリンパ節 1個に転移あり/切除数4個
レベルⅠ?Ⅱ 1個に転移あり/切除数13個
Total 転移数2個/切除数17個
・免疫染色
ホルモンレセプター エストロゲンレセプター 3b 陽性
プロゲステロンレセプター 0 陰性
HER2 陰性
MIB-1index(増殖能) 5%未満 増殖力は低い
・術後病期 ypT1cypN1 StageⅡA
その後、オンコタイプDXを提案していただき、結果は、【再発スコア16 9年遠隔再発率15% 化学療法明らかな上乗せ効果無し】でした。担当医師から、この結果を踏まえて、フェマーラ10年、「TS-1」の1年服用を提案され、飲み始めました。今のところ、軽めの副作用で収まっていますが、オンコタイプDXの結果が低リスクだったら、経口とはいえ抗がん剤である「TS-1」を飲むことは提案しないという医師の意見も拝見し、服用しながらもモヤモヤした気持ちです。オンコタイプDXの結果が低リスクなのであれば、抗がん剤である「TS-1」は必要ないのでしょうか。服用するのとしないのとでは、将来の再発リスクは違うのでしょうか。以上が相談でございます。よろしくお願いいたします。
オンコタイプDXは腫瘍組織内の21種類の再発にかかわる遺伝子の発現状況からその再発率を点数化で表すもので、この結果からは、貴女の場合、再発低リスクと判断されます。一方、術後病理結果でリンパ節転移が2個認められており、この結果からは、リンパ節転移のない方に比べて再発率は高いことになります。以上の結果を総合して、主治医の先生は内分泌療法に1年間のTS-1を上乗せする方針をとったと考えられます。POTENT試験という臨床試験の結果に照らし合わせても、TS-1服用は貴女の再発リスクを低減させてくれている可能性が十分にあると考えます。幸い軽めの副作用で収まっているとのことですので、このままTS-1服用を継続されることをお奨めいたします。(文責 谷)