No.12903 化学療法の選択方法について

1594 views
2023.01.01 匿名 0 Comments

乳がん手術を終え、これから化学療法を行う者です。ステージ1のルミナルタイプの化学療法の選択方法の考え方について教えていただけないでしょうか。以下、私の術後病理になります。閉経前です。

ステージ1、 浸潤径13mm、 ホルモン受容体陽性、 HER2陰性、 グレード3、 ki67 40%、 オンコタイプ再発スコア26

主治医からは、EC4クール+タキサン4クールを提示されています。私なりに化学療法について調べていますが、その中でルミナルタイプのリンパ節転移なしの場合はTCまたはACやEC4クールといった例が多く、またそのようなチャートを組んでいる病院があることを知りました。ステージ1のルミナルタイプで8クールとする場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。グレード等の予後不良因子が加味され、4クールでは足りないと考えるのでしょうか。また、オンコタイプでは、私のスコアの場合の化学療法の上乗せは6%程度となっているのですが、クールを重ねることで、それ以上の効果を見込む目的も考えられるのでしょうか。4クールと8クールとでは体の負担も大きく変わると聞いており、なかなか気持ちの落ち着けどころがわからずに悩んでいます。よろしくお願いいたします。

Changed status to publish
2023.01.01 久保内 0 コメント

あなたの乳癌は、StageⅠではあるもののLuminal B typeでOncotype DXがIntermediateのHighに近い値で、術後化学療法を勧められたと考えられます。術後(術前でも同じですが)化学療法は、アンスラサイクリン(ECやAC)を4コースのあとタキサン(T)を4コースするのが標準治療とされております。それを片方省略出来るか、短縮できるかというのは非常に微妙な問題で、EC/ACまたはTCを4コース(または6コース)で良しとする施設があることも事実ですが、あくまでローカルルールだと思って下さい。基本はアンスラ4コース+タキサン4コースの計8コースです。

HER2 typeの場合は抗HER2 薬との親和性はタキサンの方が高く、トリプルネガティブ乳癌のKi67が高い場合はアンスラが効くのがほとんどなので、あなたが言われたどちらか一方という使い方があろうかと考えますが、Luminal B typeはどちらが効くか判らないというのが実情です。そのために、取りこぼしをしたくない場合は、両方使わないと心配です。その意味から貴女の主治医がアンスラ4コールの後タキサン4コースを提案されたと考えられ、病気の根治を目指した場合は意義があります。

しかし小生は、貴女のような症例に出会って、EC 4(6)コースだけとか、TC4コースだけとかにしたことが何例かあります。いろいろな場合がありますが…高齢者や基礎疾患が有りで化療の副作用が心配な方とか、「浸潤径が10mm以下であれば化学療法無し」なのに10mm+αで化療となったケースとかです。そういう場合でも、EC/ACかTCのどちらが効くのか判らないのに片方だけで済ましてしまって本当に良いのか?と大きな不安を持ちながら、目を瞑るようにして対応したのも事実です。そういう医療者側の迷いがあることをご理解の上で、主治医に伺ってみるとかセカンドオピニオンをお受けになるとかしてみたら良いかと考えます。

最後に一言乳癌治療の歴史を述べさせて頂ければ、2010年以前ではKi67を測定することが無かったので、浸潤径13mmのLuminal typeでリンパ節転移無しですから、内分泌治療だけで済まされていたかも知れません。しかしそのような患者さんの中から、再発転移を来して大変な思いをされる方が居られ、そのようなことの無いようにサブタイプを調べて、更にOncotype DXのような多遺伝子検査をして術後治療を検討することになって来ているということを、付け加えさせて頂きます。(久保内)

Changed status to publish
Question and answer is powered by AnsPress.io
  • 会員の紹介
  • 乳がんについて