HPNo.12891 のものです。清水先生、言葉たらずですみませんでした。
1)貴女の現在の状態。転移、再発 ない or ある(どこに?)
2月に遠隔転移が見つかりました。肺と鎖骨上リンパ節です。10月のCTのレポートです。
左乳癌術後再発、多発転移 : 左胸壁結節、多発リンパ節転移、肺胸膜転移、癌性リンパ管症疑いはいずれも増悪
2)2月と10月のCTの所見の変化 (軽快、 不変、 増悪)
増悪しています。
3)2月から10月の間に行った治療は?
2月からハラヴェンを行い、効果がなくなったため、PDL-1陽性だったのでテセントリク+アブラキサンを行いましたが、増悪したので現在ゲムシタビンの治療をしています。
4)主治医の先生の、この所見に関するご意見
レントゲンでうっすら白い影が見える。主治医は、癌性リンパ管症についてよりは、胸水が抜けはしないけどあるので、咳や呼吸困難はそこからくると思うと言っていました。
宜しくお願い致します。
癌性リンパ管症があるからといって余命が短くなるということはありません。ただし、癌性リンパ管症は他の転移が出てきた後に出てくることが多いので、かなり進行した状態と考えられます。癌性リンパ管症であっても他の転移と同じ細胞ですから、貴女の癌細胞に有効な薬であれば効果があります。しかし、既にいくつもの薬を使った後ということになると、高い有効率は期待できません。人間の体に必要な酸素は肺の中の肺胞内の空気からその周囲を流れる毛細血管の中に移っていくのですが、癌性リンパ管症は肺胞と血管の間に存在するリンパ管の中に癌細胞が詰まった状態なので、肺胞と血管の間の距離が長くなり、酸素の移行がスムーズに行われなくなります。その結果、低酸素血症となり、息切れ、息苦しさといった症状が出てきます。癌性リンパ管症は苦しい転移の一つなので、貴女の状態を一番把握してくださっている主治医の先生とよくご相談なさってください。応援しています。(文責 清水)