宜しくお願い致します。左乳房を全摘し、術中のセンチネルリンパ節生検は陰性でしたが、後日の病理検査で3mmの転移が1個見つかりました。主治医からは、「郭清して何個転移があるか調べ、4個以上なら放射線をお勧めしますが、郭清するかどうかは、ご自身で決める事が大切です」とのお話がありました。私としては、リンパ浮腫のリスク等から、出来れば郭清したくないと思っておりますが、不安もあります。郭清しなかった場合のデメリットとメリット、治療法などを教えてください。なお半年後に二次再建を行う予定の為、放射線をする場合は再建後になるとの事でした。再建までの間はホルモン治療、抗がん剤(オンコタイプDXの結果次第)などを予定しています。ホルモン受容体陽性、her2陰性、ki67 low(<10%) ガンの大きさ:術前は6mm
あなたの場合は、乳房全切除術でセンチネルリンパ節に(運の悪いことに迅速病理では転移陰性だったのに永久標本で)転移が有ったのですね。最新の「乳癌診療ガイドライン」では、そのような場合の腋窩リンパ節郭清省略を勧めるか?と言う設問に、①[放射線治療ありの場合]郭清省略を行わないことを弱く勧めるとあり、②[放射線治療なしの場合]郭清省略を行うことを強く勧めるとあります。ガイドラインは日本語の表現がややこしいですが、①は『郭清した方が良いんじゃないでしょうか』 ②は『腋窩郭清をする必要は無いと言って良いよ』だと思って下さい。この考えから「郭清を」と言われたのでしょう。
免疫染色(ホルモン受容体・HER2・Ki67値)から考えて、正真正銘のLuminal A typeというおとなしい乳癌ですし、センチネルリンパ節は1個だけで転移のサイズが3mmとのことです。2mm以下の微小転移では郭清省略が強く勧められているので、ほとんどの乳腺外科医は郭清しないでしょう。また郭清してもその結果リンパ節に転移を認める場合は極めて少ないと考えます。ですから郭清するか腋窩に放射線をかけるかのいずれかで良いと思います。(郭清して4個以上のリンパ節転移が見られる可能性はゼロに等しいと思います)あなたはリンパ浮腫を避けたいために腋窩郭清を回避したいのですから、腋窩だけに放射線治療をしておけば良いと思いますし、乳房に照射しないはずですので、(放射線科医と形成外科医に確認をして)腋窩照射後に2次再建をなさったら良いのでは無いかと考えます。よく主治医の先生とご相談下さい。(文責 久保内)