初めてご相談させて頂きます。36歳です。地方で、乳腺外科が週数日だけ巡回開業しているような小さな病院で治療していますので、他の先生方のご意見も伺いたく投稿しました。乳がんという事で、左乳房全摘手術をしました。
病理結果は、 最大径17ミリ ER陽性 Pgr陰性 Her2 0 Ki-67 38% センチネルリンパ陰性 脈管侵襲なし 中心部分に大きな壊死があったとのこと。コメド陰性 ステージ PT1C / N0 / M0
主治医の見立てとしては、「乳がんの予後の一番大きな要因は、腫瘍の大きさとリンパ転移の有無です。100人の乳腺外科医がいたら100人そう答えるくらい常識です」 「Rさんはステージ1なので、元々の再発リスクは低い。10年で10%くらい」「そうは言ってもPgr陰性、Kiもそこそこ高いのでオンコタイプDxを提案します」と言われ、何とかお金をかき集めてお願いしたところ、スコアは高リスクの54でした。いつもはほのぼの診療室なのですが、この時ばかりは主治医と看護師長さんが顔を見合わせて、「抗がん剤・・ですね・・・」「やるしか・・・ないね・・・」と言われていたので、医療関係者の方が深刻に顔を見合わせるのだから、やった方が良いのだろうと納得して、ACとWeeklyのパクリタキセルを実施中です。 抗がん剤が終わり次第、ホルモンを抑える注射とホルモン療法10年を提案されています。4点ほどご質問があります。
1)抗がん剤を2種類やることで、オンコタイプのグラフに示された「ホルモン剤+抗がん剤」再発率よりさらに低く出来るから、2種類やった方が良いと言われました。これはどういう言う事でしょうか。(オンコタイプの抗がん剤はCMF療法?を基準にしているとのことでした。)
2)Pgr陰性/中心に壊死があると予後が悪いのでしょうか。
3)なぜこんなにも高リスクになってしまったのでしょうか。私のがんは女性ホルモンに反応する一般的なガンと聞いています。病理結果だけ見れば、何か特別に悪い要素があるようにも思えません。それともPgrが陰性だと、こんなに高リスクになるのでしょうか。
4)シングルマザーで子供も2人いるので、脱毛しようが、吐き気があろうが、今リスクを少しでも減らしておきたいと思います。他に更に出来る予防治療はありますでしょうか?
(免疫療法などは値段が高くてとても出来ません)
何卒宜しくお願い致します。
1)①AC療法と②Weeklyのパクリタキセル療法の2つをするので、CMF療法だけよりも高い奏効率が期待できるという意味だと思います。①AC療法+②Weeklyのパクリタキセル療法の方が、現在よく行われています。
2)私はそのようなことは聞いたことも、文献で読んだこともありません。腫瘍細胞の増殖能が高くなる、すなわち悪性度も高くなると、それだけ壊死する細胞も早く多くなるため、壊死部分が多いということは考えられなくもないとは思います。
3)Ki-67 38%になぜなったかはわかりません。PgRが陰性でもERは陽性なので、ホルモン療法に反応すると予想されるので、高リスクとは関係ないと思います。
4)免疫療法は今のところ有用と実証されたものはないようです。点滴注射の化学療法の後、ホルモン療法、内服の化学療法を長期間続行するぐらいでしょうか。(文責 石川)