2020年12月に温存手術を行い、センチネルリンパ節生検にて最大0.35mmの微小転移がありました。しかし、病理検査結果では、脈管侵襲なしとなっていました。脈管侵襲がなく、リンパ節微小転移が確認されるようなことって、あるのでしょうか。それとも脈管侵襲なしが誤りなのでしょうか。
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“脈管侵襲の検査”を理解していただくために例え話を考えてみました。水道管の上流から誰かが水道の中にバラバラとゴミを流しているという情報が入ったことを想像してください。水道にゴミが混ざっているかどうかを調べるために、水道管全体を凍結し、中の水を凍らせてから、所々の水道管を5cmくらいに輪切り(実際は難しいですが)にして、その輪切りになった氷の中にゴミがあるかどうかを調べます。たくさんのゴミが流れていれば、どこを輪切りにしてもゴミは見つかるでしょうが、ゴミの量が少なければ、たまたまゴミが通りかかったところを輪切りにしない限り、ゴミはないと判断されます。この水道管を輪切りにして調べる検査が脈管侵襲を探す検査なのです。がんの病理検査では、がんを含む組織を薄くスライスして、色をつけて顕微鏡で見ます。そのスライスの中には、血管やリンパ管の輪切りが見えます(細い血管とリンパ管は区別がつかないので、合わせて脈管と表現します)。そのスライスの中に見える脈管の中にがん細胞が確認できれば脈管侵襲(+)、たくさんの脈管の中にがん細胞が確認できれば脈管侵襲(++)、脈管の中にがん細胞を確認できなければ脈管侵襲(―)と表記されます。ですから脈管侵襲(―)だから脈管の中に癌細胞が流れていないとは言い切れないのです。脈管侵襲がないのにリンパ節転移があるということは珍しいことではありません。(文責 清水)
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