新型コロナワクチン接種における基礎疾患について、当HPの回答に不一致がありました。どちらの先生の回答も、それぞれの先生の考え方、質問した方の状況を慮っての回答なので間違いではありません。しかし誤解を招きそうなので、改めて回答させていただきます。
国が指定した、”65歳未満の方で優先接種を勧める基礎疾患”の中に悪性腫瘍(乳がんを含む)は含まれていません。ですから、乳がんに罹ったからといって優先接種は受けられません。ただし、”疾患や治療に伴う免疫抑制状態(悪性腫瘍を含む)”の方は優先接種の対象となっています。しかし、具体的に乳がんのどの治療の時に免疫抑制状態と判断され、優先接種になるかは不明です。この点が皆さんの解釈の違いにつながっていると考えます。また、免疫抑制状態の時にワクチンを優先して打っていいのか、逆にワクチンは打たない方が良いのかもわかっていません。基本は主治医の先生の判断によると思います。そこで、以下の対応を考えました。
ワクチン接種前の問診で
現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか。
病名:□心臓病、□腎臓病、□肝臓病、□血液疾患、□血が止まりにくい病気、□免疫不全、□その他( )
治療内容:□血をサラサラにする薬( )□その他( )
と尋ねられます。乳がんの方は”□その他”にチェックを入れて、(乳がん )と記載してください。
その次の問診項目として、
その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。 □はい □いいえ
と尋ねられます。ですから、原則は主治医の先生に接種の可否を聞いて、ここの回答欄に記載するのです。その結果、病院に問い合わせの電話が殺到していて対応に苦慮しているのが現状です。ワクチン接種前に受診予定のある方は、受診時に主治医の先生にワクチン接種をして良いかどうかを聞いて確認してください。診察間隔が長く(3ヶ月以上)ワクチン接種前に受診の予定がない方は、原則として一般の方と同じように接種を受けて頂いて問題ありません。しかし、少しでも不安がある方、心配な方は必ず主治医の先生に問い合わせてください。(文責 清水)