No.12081 葉状腫瘍

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2017.12.08 0 Comments

40代後半、主婦です。先日葉状腫瘍の日帰り手術を局所麻酔で受けました。術前の針生検で判明した3cm未満の良性葉状腫瘍と、以前からあった1cmほどの線維腺腫を、ふたつ摘出しました。病理検査でも良性で、次は半年後の検査でOKとなりましたが、報告書の最後の一文が気になっています。長いのでまとめの部分のみ引用させていただくと、「複数のfibroadenomaの形態の結節とこの間の乳腺症の形態からなる病変で、結節の一個(直径18mm)は良性の葉状腫瘍と考えられます。悪性所見は見られません。また、追加切除部分には葉状腫瘍の形態は観察されていませんが、葉状腫瘍の断端の判断は難しい部分もあるのでfollow upして下さい」とありました。これは腫瘍が取りきれていない部分があるということでしょうか。葉状腫瘍は断端陰性で手術することが大前提と何かでみたのですが、そうすると追加手術したほうがいいですか? ちなみに執刀医は手術直後に「エコーで腫瘍の取りのこしがないことを確認した」と言っていましたが、病理検査とは、やはり違うのでしょうか。良性ということで、半年ごとに経過を見て、もし再発したらその時はマージン大きめに摘出するというのでは駄目なのでしょうか。

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2017.12.08 久保内 0 コメント

葉状腫瘍はその構成成分が線維腺腫(FA)とほぼ同一であり、画像診断上見分けがつかないほど似ていることがあります。FAは若年発症で緩徐な増殖をし、葉状腫瘍はFAに比較して発症頻度が1/40~50と低く、同じように切除しても局所再発を来しやすいのが特徴です。(またFAは原則的に悪性のものは無いですが、葉状腫瘍にはまれに悪性のものが有りますが、切除して良性葉状腫瘍と言われているあなたは心配しないで良いでしょう)ですからFAはギリギリ腫瘍縁で切除して良いのですが、ガイドラインでは葉状腫瘍は5~10mmのマージンを付けて切除すべきと言われています。葉状腫瘍が大きいとマージンをしっかりつけて切除できないことも有り、例え十分な切除をしても局所再発しやすい腫瘍なので、3~4年は経過観察した方が良いと考えます。また、悪性腫瘍ではないですし、今回の手術で局所再発を来さない場合も十二分に考えられるので、現時点での追加切除はお考えにならなくても良いのではないかと考えます。(文責 久保内)

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