初めて相談させていただきます。50代です。九月に片側乳房全摘出+センチネルリンパ節生検を受けました。11月に結果の説明を受け、広がりのあるDCISの中に、1mmの浸潤が認められるとのことでした。浸潤部分は、ER(-)、PgR(-)、HER2(3+)、脈管侵襲なし、リンパ節転移なし0/4、断端陰性。GradeとKI67は調べておりません。浸潤1mmということなのですが、predictという予測サイトを見つけ、自分の結果をgrade3で打ち込んでみたところ、術後無治療での5年生存率86%、10年生存率79%と予想外の低い結果が出てきて動揺しております。他の予測サイトでは、術後15年の無治療時乳癌死の確立が2%くらいとなっておりました。そこで質問ですが、
1) newadjyuvant com.という予測サイトでは、私の結果を当てはめるとどうなりますでしょうか。再発率、5年、10年生存率、化学療法+ハーセプチンの上乗せ効果を教えていただきたいと思います。
2) 最近、nccnガイドラインではHER2陽性タイプは5mm以下でも化学療法+ハーセプチンの使用を考慮するというようになっているようですが、grade3であった場合、5mm以下で化学療法+ハーセプチンを行う方が増えているのでしょうか。現状を教えていただければと思います。
3) predictの結果についてどう思われますか。
お考えをお聞かせください。術後、無治療の経過観察となっておりますが、すっきりせずご相談させていただきました。よろしくお願いいたします。
ガイドラインは様々あると思いますが、症例数の多い分布の中心部の症例では良く合うと思われる一方、中心から離れた例外的な症例では、それぞれのガイドラインで判定が異なったり、実際とは「ブレ」を生じることが多いと考えられます。HER-2 typeの恐れられているところは、HER-2のシステムを介した増殖の速い悪性度の高い腫瘍であることです。浸潤径がミリ単位で治療された場合は、HER-2陽性といえどそれほど増殖の速くなく悪性度が低いのか、転移を引き起こすほどの大きさになっていない可能性が考えられ、GradeやKi67が良い指標になります。Ki67は免疫染色をしないといけませんが、Gradeは標本を見直すだけでできますので、主治医に聞いてみられるとよいと思います。
ただし「広がりのあるDCISの中に1mm径の浸潤がみられる」というHER-2 typeの乳癌に化療+ハーセプチンを行うかというと、小生はNoです。現在病理標本を作製するのは5mmスライスですが、浸潤癌(-)のDCISの中には2~3mmの浸潤部を持ったものが紛れ込んでいる可能性が十分にあり、あなたの場合はたまたま1mm径の浸潤部が(運悪く?)切られている可能性があり、広く乳管内にDCISが広がっているのにたった1mmしか浸潤部を持たない悪性度の低いHER-2 typeであることが考えられるからです。NCCNのガイドラインが一番厳しく書かれており、何でもかんでも化学療法という流れが有ることは事実ですが、その人個人個人の状況に応じて術後治療は考えるべきではないでしょうか?(文責 久保内)