No.12088 断端陽性について

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2018.01.01 0 Comments

お忙しい中恐縮ですが、ご連絡させていただきました。40代後半の主婦です。2017年11月「右乳癌の診断」右CD~BD広範囲の低エコー域、一部で腫瘤形成。ER+、PgR+、grade1、her2(-)。12月、右乳房切除、センチネルリンパ生検(陰性)をおこない、無事に退院しました。その後、病理診断と治療方針の話を主治医としました。所見内容は、浸潤の最大径はプレパラート上の計測で6.7ミリ。乳管内成分は面疱型壊死を伴って広い範囲に分布し、乳頭部乳管にも達する。浸潤部の組織像は硬癌相当、全体としては乳管内成分優位のため乳頭腺管癌に分類。histological grade1 (tubular formation score1,unclear polymorphism score2,mitotic co Ki-67は浸潤部のhot spotで20%前後、浸潤部全体としてはより低い。切除断端について、乳管内成分は乳腺組織にまで進展を認め、陽性。間質浸潤成分は陰性。このような内容でした。今後の治療方針は、放射線治療、ホルモン療法(タモキシフェン5~10年毎日、リュープリン2~5年3ヵ月に1回)を来月から始めましょうということでした。主治医に聞きづらく、ご意見をおきかせください。
1) 全摘で断端陽性になることはあるのでしょうか。
2) 放射線治療は6ヵ月以内に傷口が治ってから開始すればよいと言われています。急ぐ必要ナいということですか。
3) 治療方針の参考意見を聞かせてください。

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2018.01.01 須田 0 コメント

1) 乳房切除後の病理組織学的な断端検索をするには、ホルマリン固定後、全割して、すべてのブロックのパラフィン切片を作って診断する方法や、側方断端を切り出し、パラフィン標本によるプレパラートを作って診断する方法などがあります。また、断端陽性の定義も、医療施設により様々です。貴女の場合、いずれかの方法で断端検索のためのプレパラートを作成した結果、乳腺組織には病巣がみられるが、乳腺組織以外には見られないとあります。従って、乳房切除術の場合、一般的には乳腺が明らかに露出することはないので、病巣から切除断端までは少し離れていると考えられます。主治医に、切除断端の検索方法も含めて、納得のいくよう、伺ってみてください。
2) 乳房切除後の放射線治療は、乳房を切除した胸壁とその周囲のリンパ節への再発を予防するために行われます。6カ月以内を目安に、手術創が治ってからの開始でよいと思います。
3) ホルモン療法、長期になりますが、頑張ってください。治療中に疑問点、不安点などが出てきた場合が、主治医にご相談ください。納得のいく治療を前向きに受けることが大切だと思います。(文責 須田)

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