この4月に乳がんと診断されました。いくつか質問させていただきたいと思います。
約1年前に自治体の乳がん検診を受けました。その検診で要精検と判断されたため、乳腺外科を受診しました。検診で撮影されたマンモの写真を持参しましたが、それを見て医師は「大丈夫だと思う」と言いました。その後エコーもやりましたが、画像を見せてくれることもなく、「あなたのしこりは癌ではありません」とだけ言われました。自治体の検診は2年に1度しか受けられませんが、何となく心配で1年後に個人医院で乳がん検診をしたら、今度は乳がんの疑いありとのことで別の病院を受診し、今回はエコーの後に針生検をして、1センチの乳がんと診断されました。この1年、ときたましこりを自分でも触っていましたが、大きくなっているという実感はありませんでした。がんは進行性の病気と思いますが、1年、大きくならないこともありますか?
また、今回のエコー、針生検の結果ですが、腫瘍径1㎝、リンパ節転移なし、ER20% PgR2%、HER2 3+、グレード3と診断されていまして、TC療法+1年のハーセプチン投与を提案されています。できれば抗がん剤は術前に、抗がん剤がよく効くタイプなので、うまくいけばがんが消えてしまう可能性がある、とのこと。1㎝くらいのがんだと手術のみでもよい、とする場合もあるようですが、私の場合は、抗がん剤とハーセプチンは必要でしょうか? するとしたら、主治医の言うように術前が望ましいか、それとも術後で構わないのか、以上3点、お答えいただければ幸いです。
1) 1年大きくならないこともあると思います。また、検診で指摘された部位は良性で、今回指摘された乳癌が検診で指摘されたものと同一のものでなく、新たに認識できるようになった可能性もあります 。
2) 化学療法は術前に行っても、術後に行っても、生命に関わる再発の危険性は変わらないと言われています。術前に化学療法をすることで良いことは、がんが縮小すれば、全摘しかできなかった乳がんの方が温存療法を選択できたり、もともと温存療法が可能な方でもより病変が小さい方が、温存乳房の形がよくなることが挙げられます。この場合、1cmとのことなので、もともと温存が可能で、そこそこ形を整えられる大きさなので、術後に化学療法、ハーセプチンでも、術前にでも、いずれでも良いと思います
3) HER2陽性、ホルモン受容体陽性とのことで、化学療法、ハーセプチン、ホルモン療法の全てを順次受けていただくのが良いと思います。先述したように、化学療法は術前でも術後でもいずれでも良いと思います。(文責 俵矢)