No.12539 遠隔転移の治療について

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2020.10.16 タマゴ 0 Comments

60才女性です。7年前に、右乳房 1.5cm×1.3cm×1.5cm  浸潤性乳管癌 硬癌 リンパ節転移なし、HER2陰性 ホルモン感受性有 ER70%  ki-67 20% 温存術の後、放射線治療20回 タモキシフェンを4年、アナストロゾールを3年服用していました。

還暦を迎え、家族のプレゼントで、2月に人間ドックに行った所、MRIで、右肺上葉に8mm影が発見されました。腫瘍マーカーは、陰性、主治医に相談、もしくは半年後の再検査を進めますとの事で、ちょうどコロナ渦でしたし、服用残薬がまだあった事、遠隔転移は早期発見しても生命予後は変わらないと聞いていた事などで、主治医に相談に行ったのは、人間ドックの結果が出てから5か月後でした。主治医には、何故すぐに来ないと怒られましたが、画像だけでは、転移ではなく肺がんかもしれないと言われ、自分では想定していなかったので、驚きました。5か月経過していましたので、再度MRI検査をしましたが、影の大きさは、5か月前と不変でした。
胸部外科を紹介されましたが、場所が奥なので、摘出しないとわからないとの事で、胸部外科の先生のお見立てでは、50%は膿瘍、25%は肺がん、25%は乳がんの再発との事で、経過観察という方法もあるが、もしも、肺がんであれば、今摘出すれば、まだ小さいので、術後の化学療法は必要ないとのお話でしたので、摘出を選択しました。
また、手術を決めた後、FDG-PET/CTを行った所、右肺上葉の8mm結節のFDGの集積は、SUVmax=0.5、さらに右上葉中葉境界に2mmの結節(FDGの集積SUVmax=0.5)が発見されました。2mmの腫瘍は小さすぎるので、今回のオペでは取れないとのことでした。胸腔鏡手術で摘出の予定でしたが、場所が奥で見つからず、結局切開しました。

病理診断の結果は、乳癌の再発でした。オペ後1か月で、TS-1の内服を開始しましたが、吐き気、腹痛、下痢が酷く、1クール服用終了時には、10分動くと吐き気が襲ってきて、横にならなくてはいけない状態でした。(手術後から吐き気が続き、TS-1開始時には、トラムセット、ムコスタ、プリンペラン、ネキシウムも服用していたのも悪かったのかもしれません)

実は、根っからの仕事人間で、7年前に化学療法をしなかったのも、仕事を続けたかった私の希望からだった経緯があります。あの時、化学療法をしていればとの思いもありますが、その後、ずっと元気で、今年3月に無事定年を迎えられたので、自分では後悔はありません。定年後、今は給料は下がりましたが、嘱託で、1年契約の正社員扱いで、65才まで、同じ仕事を継続していくつもりでした。
今回も、吐き気や痛みはありましたが、オペ後12日で仕事に復帰しました。しかし、TS-1を服用していては、とても仕事が継続できそうにないので、主治医に、以前のように抗ホルモン剤の治療に変更できないか相談したところ、たまたま、TS-1で消化器症状が出ただけで、諦めてはいけない、ゼローダに変更しようとのお話でした。主治医は、初発の時に化学療法をしていない事もあり、化学療法を進めているのだと思います。ゼローダがダメだったら、化学療法の点滴だと言っていました。今は、TS-1からゼローダへの変更のための休薬期間です。TS-1を飲んでいる間は、すっかり病人でしたが、休薬後、徐々に元気になり、オペの痛みもなくなり、今は、なにも服薬せずに、元気で、まったく以前の生活です。

遠隔転移は治癒が難しく、今後は乳癌とずっと付き合っていかなければいけないのは理解しているつもりです。ただ、大きな腫瘍は摘出してしまいましたし、残っているのは2mmの腫瘍だけ、今は痛み等の症状もまったくありません。ゼローダの主成分がTS-1と同じなのを考えると、また消化器症状が出るのは避けられないように思いますし、手を使う仕事なので、ゼローダの副作用、手足症候群も気になります。

たまたま、人間ドックに行かなければ、発見はもう少し後で、後数年は元気に働けたのでは??と思ってしまいます。自分としては、病人でいる寿命を延ばすのではなく、健康寿命を延ばしたいです。この不況の折から、少しでも年金を増やしたいですし、もしも私が死亡しても遺族年金が増えると聞きました。働いたとしても、後最長4年半です。今は抗ホルモン剤を継続して働き続け、もう少し腫瘍が悪化してから、仕事を辞めて、抗ガン剤治療へ変更するのでは、いけないのでしょうか?

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2020.10.16 清水 0 コメント

二つ質問させてください。摘出した転移性肺腫瘍の病理検査でER,PR,Her2,Ki67の状況はどうだったのでしょうか? もう一点は、主治医の先生は乳腺専門医でしょうか、それとも一般外科(どちらかというと乳腺外科より消化器外科を専門としている)先生でしょうか? というのは、これから転移再発乳癌の治療をしようと考える時に、まず最初に考えることが、転移再発乳がんのsubtype(ER,PR,Her2,Ki67)の状況です。貴女のように転移巣が切除されている場合、その検査結果は、転移再発の治療を考える上で、とても貴重で重要な情報です(内蔵の転移巣を手術することはまれなので、転移巣の病理検査の結果は不明なことが多く、その場合は原発巣の病理結果に基づいて治療を考えることが多いのです)。 ここからは私の想像ですが、原発巣がステージ1のLuminal A乳がんで手術から再発診断までの期間が7年ということを考えると、転移巣のsubtypeは原発巣と同じではないかと想像します。そうなると、乳腺専門医であれば、最初の治療は内分泌療法と考える先生が多いと思います。TS-1ではいけないということではりませんが、副作用も出ているのであれば、肺転移巣のsubtypeを確認後、内分泌療法に変更すべきだと思います。(文責 清水)

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