先日、乳房温存手術を受け、術中にセンチネルリンパ節生検を行いましたが、センチネルリンパ節3個のうち、1個に微小転移(シグナル、とおっしゃっていました)が見つかったそうです。
腋窩リンパ節郭清は行いませんでしたが、微小でもセンチネルリンパ節への転移がある場合、病理検査で脈管侵襲が認められるのではないかと考えていますが、この認識はあっておりますでしょうか?
腫瘍自体は、おそらく2cmちょうどか少し小さいくらいですが、脈管侵襲があると腋窩リンパ節転移ありと認められるため、ステージが1から2aに上がるのではないかと思っています。センチネルリンパ節生検で微小転移が見つかった場合でも、脈管侵襲が認められない場合もあるのかもしれませんが…。センチネルリンパ節生検はOSNA法で実施しています。
センチネルリンパ節に転移があったと言うことは、病理検査で確認されるかどうかにかかわらず、癌細胞がリンパ管浸潤によりリンパ節転移をおこした訳ですから、脈管侵襲があったことになります。そして、乳癌の病期は、ステージ分類上、「大きさが2cm以下でリンパ節レベルⅠ,Ⅱ転移あり」は、ⅡA期となります。
乳癌の治療で、病期(進行度)ステージⅠ~ステージⅢAの標準治療は、手術療法です。しこりが大きい場合は、手術前に薬物療法を行って、しこりが小さくなってから手術を行います。一方、センチネルリンパ節の転移が微小(2mm以下)であった場合、その他の腋窩リンパ節に転移が存在する可能性が低いため、腋窩リンパ節郭清手術を省略することができます。手術後の治療として、手術で切除した組織を調べ、乳癌の大きさ、性質、悪性度等を確認、検討し、再発のリスクが大きい場合には、放射線療法や薬物療法を行うことになります。手術後の治療については、主治医の先生にしっかりお話を伺って、納得のいく治療をして下さい。(文責 須田)