2020/4月 細胞診にて左乳がんと診断され、5/19 乳房切除術+センチネルリンパ節生検を行いました。病理結果は、「浸潤性乳管癌、トリプルネガティブ、浸潤径6mm、リンパ節転移なし、脈管侵襲なし、悪性度3、ki67 60%、遠隔転移なし」です。術前に針生検は行っておらず、術前化学療法はしておりません。現在、ddEC4ク-ル+ddPTX4ク-ルの予定で、EC4ク-ルが終わりました。母も両側乳癌であり、先月、主治医にお願いし、BRCA遺伝子検査を受け、BRCA1の結果でした。BRCA陽性変異の場合、ほかのタイプに比べ、抗がん剤は効きにくいのでしょうか? また、BRCA陽性の場合、プラチナ製剤追加すると効果があるとの情報もみられます。このままの治療でよいのか心配です。宜しくお願いします。
質問ありがとうございます。トリプルネガティブ乳癌でBRCA1変異陽性ということで、ご心配も多いかと察します。
トリプルネガティブ乳癌や、BRCA変異陽性乳癌の術前化学療法や、再発後の治療としてシスプラチンやカルボプラチンなど、プラチナ製剤の有効性が示されておりますが、多くのデータが、第II相試験の結果であり、効果の解釈は慎重になる必要があります。また日本ではHER2陽性乳癌の方でカルボプラチンの適応が認められており、HER2陰性の場合、プラチナ製剤の適応はありません。
オラパリブ(リムパーザ®)など、PARP阻害剤というお薬もBRCA1または2に病的変異のある方では効果が認められていますが、現状では再発転移のある方に適応となるお薬です。
これらのPARP阻害剤に関しては術前後の補助化学療法として使用した場合の有効性について現在臨床試験として確認を行われていますので、結果を待ちたいところです。
まとめますと、今のところはご自身が受けられた治療が最善で最良の治療と考えます。(文責 鈴木)