No.12366 骨転移について

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2020.02.22 M.U. 0 Comments

1) 頸の骨転移について

(ア)頸の骨転移の特徴的な痛みはありますか? どこに痛みが出ることが多いですか? 腰や脚に痛みが出ることはありますか? 寝ている時は痛くないが、起きて立つと痛いという事はありますか?

(イ)骨転移は一箇所でも、痛みは段々増していくものですか?

(ウ)骨転移の治療が遅れると、余命に大きく影響するものですか?

2)頸の骨転移の診断について

頸椎の病気「頸椎症」も頸や肩や腕等に痛みが出るとのことですが、頸の骨転移の痛みの出る箇所、強さ、検査の画像等は、「頸椎症」のそれと、どのような違いがあって、はっきり診断できるものですか? 又は診断は難しいものですか? 

よろしくお願いいたします。 

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2020.02.22 久保内 0 コメント

1)  頸に限らず、骨転移は発生当初は痛みを伴いません。無症状です。骨転移が痛みを伴う多くは病的骨折です。また骨折を起こしても、頭蓋骨等動かない骨は痛くありません。

 (ア) 頸椎も基本的には動かない骨なので、通常痛みはありません。むしろ増大して脊髄を圧迫した場合に麻痺が起こり、頸椎ですと両手両足の麻痺が想定されるので、それが最も怖い症状です。

(イ) 骨転移は治療しなければ痛みは消えません。疼痛の質は変わらず増減しないと思いますが、頸椎では疼痛は起こりにくいと考えます。

(ウ) 余命はその癌全体の問題ですから、骨転移だけが関わることではないです。むしろ骨転移を治療しないと痛みが取れませんし、麻痺等が発症すれば「生活の質」が著しく悪くなると考えます。

2) 局所的には頸椎のMRIでしょうが、骨転移は多発性が殆どですから、転移が疑われたら骨シンチグラフィやPET+CTで全身の骨を観察するべきだと思います。頸椎のMRIで頚椎症との鑑別は可能と考えます。

 

M.U.さんの場合、乳癌の術後の方で頸・肩・腕等に痛みが徐々に広がってきて、頸椎の転移を怖がっているのではないかと思えます。その場合は通常の頚椎疾患(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症)が考えられるので、まずは整形外科を受診されて問診の既往症に乳癌術後と書き、「頸椎転移を恐れているが、その鑑別までしてもらいたい」とおっしゃれば良いのではないでしょうか?(文責 久保内)

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