母が術後1年の検診でCT撮影をしたところ、肺に転移しているかもしれないと言われたそうです。放射線技師の先生が主治医の先生に言っていたらしいのですが、主治医の先生は、「影の形がギザギザというか、モヤモヤしているから違うんじゃないかな」と言っていたそうです。数日後PETの撮影をし、月曜日に結果を聞きに行きますが、CTでは転移に見えてもPETでは違っていたという事はあるのでしょうか? CEAとCA15-3は基準値内ですが、ICTPが9.6と基準値の倍なので、肺と骨に転移しているのではと心配です。サブタイプはルミナルaだったと思います。今のところ特に自覚症状はない様です。もし転移していたら、このタイプには化学療法があまり効かないと書いてあったので不安です。また手術から転移までの期間が短いと予後が良くないともあったので、実際はどうなのか教えて頂きたいです。宜しくお願いします。
CTにて肺転移を心配されていますが、直接画像を拝見していないので、はっきりしたことは分かりません。いずれにしてもPET検査を行っていますので、今後のことは、その結果を待ってからという事になります。PET検査の場合、1cm以上の病変であれば、FDG(PET検査薬)の集積から、活動性の炎症、転移、転移ではなく原発性の肺がん等の可能性が考えられます。集積がない、又は集積が低い場合は、非活動性の炎症、良性の腫瘍が考えられます。従って、CTで転移が疑われても、PETでは、別の見解が出る可能性もあり得ます。
腫瘍マーカーについてですが、 CEAとCA15-3は、乳癌術後の経過観察時の再発モニタリングのために多く測定されています。また、乳癌に多い骨転移に関しては、骨破壊マーカーのICTPが用いられています。ただし、これらの腫瘍マーカーはどれも乳癌に特異的ではないので、再発巣が顕在化していない場合は、他の臓器癌の並存を疑うことも必要です。
骨転移についても、1cm以上の病変があれば、PET-CTで明らかになります。もし骨転移が認められれば、ルミナルAなので、まずはホルモン療法を行うことになると思います。術後、早期に転移した場合、一般的には予後が良くないとされていますが、ホルモン剤で比較的コントロールできることも多いので、主治医の先生とご相談しながら、前向きに頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)