58歳女性。大阪の大学病院にて、2019年5月31日に乳がんの為、左全摘手術をしました。病理結果は、サブタイプ ルミナルAタイプ、グレード2、 KI数値11〜16%、リンパ節への転移なし。
手術前にしたCT(単純)で、卵巣と肺に影(つぶ)があると言われていました。PET検査では、どの臓器も指摘なしでした。術後に、産婦人科で、膣エコー・MRI・子宮体癌の検査をしました。膣エコーで、卵巣に6.5cmの腫瘍があると言われました。MRIの結果は、おそらく良性だろうという事です(癌検診の結果を含め、婦人科の外来予約は8月5日です)。 肺はすぐに癌を疑うわけではない、今後、定期検査要との事です。もし肺癌であった場合、乳がんからの転移になるのでしょうか? 乳腺科の主治医の外来予約が9月19日なので、それまで気がかりで、ご相談させて頂きました。何卒よろしくお願い致します。
術前の検査で肺に小さい陰影があったが、小さいためそれ以上の検査は出来ず、今後大きくなってこないか経過をみているということですね。直接拝見したわけではありませんのでメール内容からの推測でお話しますが、以前の炎症の痕が残っているなどでCTに小さい結節(しこり)があることはよくみられることで、これらはほとんど悪さもしませんので、放置しても問題ありません。ただ直接それをとって調べることは、とても大きな侵襲がありますので、あまり得策ではなく、少し時間が経った段階で再度CTを撮影して、その結節が大きくなってこないかどうかを慎重にみてゆくことが一般的です。これを何回か繰り返してもサイズの変わらない結節であれば、わざわざ大きな負担をかけて結節をとらなくても、これで悪性の可能性はないと判断できます。ただもしその結節が悪性で徐々に増大するものであれば、それは肺に直接出来たがん(「原発性肺がん」といいます)の場合も乳癌からの転移(「転移性肺がん」といいます)の場合も、どちらもあることになります。この時期何かと心配はつきないことと思いますが、良性の可能性も十分に高いものと思われますので、次の受診までこのことはなるべくお忘れになって過ごされるのがよいと、私自身は考えます。(文責 谷)