No.12212 良性だか…

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2019.06.16 JJ 0 Comments

はじめまして。母が乳ガンで50代で亡くなったこともあり、毎年市の検診を受けており、去年も受けたところ、再検査のハガキが届きました。 すぐに乳腺科へ行き、マンモ、エコー、触診をし、針生検をしたら鑑別困難とのことで、部分麻酔をして組織を切除して組織検査をしました。病理組織所見は、「線維増生のある乳腺組織で二相性ある(免染C D 10,p63,CK5/6でも確認)抹消性乳頭腫と硬化性腺症や腺症、ductaI hyperplasia など多彩な像があります。乳腺症と判断します。悪性所見は認めません。」とのことで、4ヶ月に1度の経過観察になりました。先生に、「良性でも切除出来ないか?」と聞いたところ、良性だから出来ないとのことでした。 ちなみに大きさは五ミリです。所見の意味については、先生からは特別説明はなく、「良性です」と。 自分で病理組織検査報告書の所見の意味を調べたら ductaI hyperplasia は非浸潤性乳ガンになりやすいとのことでした。 非浸潤性乳ガンも癌なので、母のこともあり、今のうちに切除したいと思っており、セカンド・オピニオンを受けるか迷っています。 やはりductaI hyperplasia は非浸潤性乳ガンになりやすいのでしょうか? やはり今の時点で切除はできないのでしょうか。

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2019.06.17 斎藤 0 コメント

JJさん、ご質問ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。

JJさんのお胸には5mmの腫瘍があり、針生検を行った結果は多彩な病理像を認める良性病変で、その一部にductal hyperplasia(乳管過形成)を認めた状態です。 そしてductal hyperplasiaの切除について疑問をお持ちなのですね。

ductal hyperplasia(乳管過形成)についての、ガイドライン上の記載をご説明します。少し長くなります。

ガイドラインでは乳管過形成の記載は無く、異型乳管過形成(atypical ductal hyperplasiaと言います)に対しての記載があります。

異型乳管過形成は低異型度非浸潤がんに類似した組織や細胞の形を示し、2腺管未満もしくは2mm未満の大きさと定義されています。

異型乳管過形成の適切な取り扱いは一律では無く、個々の症例ごとに外科的生検、再針生検、経過観察から適切な方法を選択すべきとあります。そしてDuctal hypeplasiaだけのがんのなりやすさですが、私の調べた限りでは記載はありませんでした。(他の線維腺腫や硬化性腺症なども含めて調べた場合は、全く所見の無い方を基準にすると1.3~1.9倍との報告がありました。)

 

JJさんの場合は、異型の無い乳管過形成であること、他の部位の乳腺にもこのような多彩な病変が存在している可能性があること、を考慮して私も現時点での積極的な切除は不要と考えます。 経過をみて変化があったときに再考でもよいのではないのでしょうか。 また個々の症例ごとに適切な方法を選択すべきとあるので、ご相談する先生によってお答えも一律では無いと思います。 しかし切除してはいけない訳ではありません。 再度ご担当の先生やセカンドオピニオンなどで良くご相談なさってお決め頂くのが良いと思います。(文責 斎藤)

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