質問させていただきます。全摘手術をうけました、術後の結果は以下の通りです。
切除断端の状態 陰性
リンパ管、静脈侵襲 なし グレード1
浸潤癌部分0.6×0.6×0.6 非浸潤部0.8×0.8×0.8
リンパ節転移なし
ER90 PGR80 HER2 2+増幅あり ki67 1-9%
抗がん剤TC 3ヶ月 ハーセプチン9ヶ月 ホルモン治療10年、すすめられております。アポクリンがんです。再発の高い種類だとわかっておりますが、アポクリンがんでトリプルポジティブということが非常に珍しいようですので、なかなか知り合い等にも行き当たりません。こちらの治療で進めていこうと考えております。現時点で、この種類に対し治療が正しいか教えていただきたいです。よろしくお願い致します。
アポクリン癌は、発生頻度が0.45~0.65%と少なく、予後良好とする報告もあれば、不良とする報告もあります。予後因子として、「グレード・腫瘍径・リンパ節転移の有無」が重要と言われていますが、貴女の場合、「グレード1で、腫瘍径も小さく、リンパ節転移なし」ですので、予後良好の確率は高いと思います。また、生存率につては、非アポクリン癌と同等という事になっています。
アポクリン癌の術後薬物療法に関しては、乳癌の特殊型で症例が少なく、情報が限られており、科学的根拠は充分ではないものの、一般的には、通常の浸潤性乳管癌に準じて行います。貴女の場合、主治医が、ER, PGR, HerⅡの表現型、トリプルポジティブという結果、Ki67の標識率(1-9%)、更に再発率の高いケースがあるという事も考慮の上、薬物療法を提案されており、現時点での治療法としての考え方は妥当であると考えます。貴女の状態を一番把握してくださっている主治医の先生とご相談しながら、納得のいく治療を受けることが大切だと思います。応援しています。(文責 須田)