初めてお便りさせていただきます。58歳 女性です。2014年2月 浸潤性小葉癌の診断、ER:100% PgR:70% HER2スコア 0 術前化学療法 AC療法 ドセタキセル。
2014年8月 右全摘手術、リンパ節転移7こ、大胸筋に微少浸潤、放射線治療 25プラス5、ホルモン剤 フェマーラ。
2015年12月 胃の不快感が有ったため胃カメラ検査にて、乳癌の胃転移確認、同時に骨転移、ホルモン剤 フェソロデックス。
20016年6月 CTにて胃壁の変化が明瞭化、骨硬化も新たな部位に生じる、その他の臓器に転移などの問題はありません。CEA 5.3、*CA15-3 146.3 ランマーク治療開始
次回受診から化学療法を始めるつもりで、「ゼローダ」 「TS-1」 のどちらにするか考えて来る様に言われました。探してみたものの、参考になるものが見つかりません。まして、胃転移されている方の例など見当たりません。主治医も、効果はそれぞれだから、使ってみないと分からないと言われます。私も、そう思うのですが・・・。それでも、何か参考になるものが有ればと、こちらに辿り着いた次第です。胃転移は珍しいと聞きます。転移部位に関係なく、薬を選んで良いのですか? より腹腔内に効果がある薬は、どちらでしょうか? もうひとつ、胃転移は予後が良くないと書いた物も目にしました。その点も、お教え頂きたいです。以上の2点につきまして、ご回答頂けると幸いです。お忙しい中、申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。
ご相談ありがとうございます。乳がんの消化管転移の報告はございます。私たちも日常の診療で消化管転移の患者様を担当させていただいております。純粋に消化管に転移を起こしているのか、腹膜転移の結果、消化管転移の状態を呈しているのかの判断が難しい場合はございます。転移の部位に関係なく、治療薬を選択して問題ありません。ご指摘の通り、消化管転移は経過が早いという報告もございます。ゼローダかTS-1かの判断は難しいですが、副作用を比較するとTS-1の方が比較的穏やかです。長期的に継続して行くことを考えてご判断くださいませ。今後は緩和ケアも同時進行でおこなっていかなくてはいけません。決して諦める必要はありませんが、積極的治療と同時進行で、お腹の痛みや不安を緩和する治療もおこなっていただいてくださいね。応援しています。(文責 高橋)