No.11973 ホルモン療法薬の再変更

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2016.10.17 K 0 Comments

いつも拝見し、参考にさせていただき、感謝しています。私は現在52歳です。約4年前に、浸潤性乳管癌(3cm)で部分切除、リンパ節転移1箇所で郭清、放射線治療も受けました(ルミナールA・ステージⅡb)。その後、ホルモン療法でノルバデックスとリュープリンの注射を2年後、フェマーラにスイッチしました。しかし、膝の痛みがあり、骨密度を測定したところ低下、エディロールカプセル(ビタミンD)を追加処方で飲み始めました。ところが、今年の7月に大量の血尿がありました。元から腎臓の石灰化を指摘されていましたが、無治療でした。石の大きさが 2cmに成長していて、それが原因の出血かもしれない、とのことでした。現在泌尿器科で、ウラリットを処方され飲んでいます。それで、フェマーラからノルバデックスに戻せば、骨密度の心配は無くなる、と言われて、戻しますか?と提案されています。しかし、再発予防効果はフェマーラの方が高いとのことで変更したので、元に戻すという提案に抵抗があります。次回までにどうするか決めてきてください、とのことですが、結論が出せません。それで、相談室の先生方のご意見もお伺いさせていただきたいと思いました。よろしくお願い致します。

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2019.01.10 0 コメント

結論から申しますと、私ならばノルバデックスに再度戻すことをお奨めいたします。理由は以下の3つです。1)すでにフェマーラを2年間近く服用したことになりますから、再度ノルバデックスに戻しても、<正確なデータはありませんが>おそらく再発予防効果はあまり変わらないことが予想されること。2)そもそもフェマーラなどアロマターゼ阻害剤に少し劣るとは言え、ノルバデックスも再発予防効果は十分に期待できる薬剤であること。3)骨密度の減少は、今後一生「骨折」の可能性を確実に増加させることにつながる重要な合併症であること・・・です。私の外来でも同様の悩みはしばしば生じて、そのたびごとに患者様とよく検討しております。(文責 谷)

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